公開日:2025年12月
最終更新:2025年12月
フィルムメーカー別「色味の違い」比較

フィルムメーカー別「色味の違い」比較
Kodak / Fujifilm / Lomography / Cinestill の世界
1. はじめに ― フィルムの“色”はメーカーで全く違う
フィルム初心者が最初につまずくのが、 「どのフィルムを選べば、自分の好きな色が出るのか?」 という疑問です。
実はフィルムの色味はメーカーによって大きく異なり、 あなたの写真の雰囲気を決定づけるほど重要な要素です。
この記事では、代表的な4メーカーの色味を 専門店視点でわかりやすく徹底比較します。
2. Kodak ― 暖かく、映画のような“黄金の色味”
Kodakの最大の特徴は暖色寄りの色味と滑らかな階調。 全体的に“黄色味・赤味”のニュアンスがあり、 映画的・ノスタルジックな空気感を作りやすいメーカーです。
■ Kodakの色味の特徴
- 肌の色が非常に綺麗(ポートレート向け)
- 夕方・逆光の表現が得意
- 暖かい色で気持ちの良い雰囲気に
- 粒子が滑らかでフィルムらしさが強い
■ 主なフィルム
- PORTRA 160 / 400 → 透明感 × 肌色最強
- GOLD 200 → アメリカンな暖色の代表
- ULTRAMAX 400 → コントラスト強めで鮮やか
- Ektar 100 → デジタル級の超シャープ系
「映画みたいな写真が撮りたい」 という人はまずKodakから始めるのが間違いありません。
3. Fujifilm ― 青と緑が美しい“透明感のある色味”
Fujifilmは青系・緑系の階調が美しく、透明感が出るフィルムで有名。 爽やかでクリーンな描写が特徴的で、 若者の間でいま最も人気が急上昇しているメーカーです。
■ Fujifilmの色味の特徴
- 爽やかで軽やかな色調
- 青・緑が綺麗でナチュラル
- ハイライトが飛びにくい
- 優しい雰囲気になりやすい
■ 主なフィルム
- FUJICOLOR 100 / 200 → 明るい色味で日常スナップに最適
- Superiaシリーズ → 青みが強いクールな色調
- Natura 1600(在庫限り) → 低照度でも美しい透明感
「透明感のある写真が好き」 「柔らかい雰囲気にしたい」 という人はFujifilmが最も合います。
4. Lomography ― 個性が強く“エモい”色が出せるメーカー
Lomographyは、フィルムの個性を楽しむためのメーカー。 色の転び・粒子の粗さ・コントラストのクセが強く、 意図的に“崩れた写り”を楽しみたい人向けです。
■ Lomographyの色味の特徴
- 色が大胆に転ぶ(黄転び・青転びなど)
- 粒子が粗く、フィルムらしさ全開
- 暗所でのラフな写りが魅力
- 遊び心のある描写が得られる
■ 主なフィルム
- Lomo Color 100 / 400
- Lomo 800
- Purple(紫発色)
- Metropolis(退色感のある都会的カラー)
“エモい”“アートっぽい”“偶然性を楽しみたい” というユーザーには最適なメーカーです。
5. CineStill ― 夜の光が美しく滲む“映画的フィルム”
CineStillは映画撮影用フィルムをスチル用に最適化したブランド。 特に夜景・ネオン・バーなど暗所に強く、 ハレーション(光の滲み)が特徴的です。
■ CineStillの色味の特徴
- 光が赤く滲む独自のハレーション
- 乾いたようなハイコントラスト
- 映画のワンシーンのような雰囲気
- 夜撮影で圧倒的な存在感
■ 主なフィルム
- 800T(タングステン) → 夜のネオンを美しく描写
- 400D → 昼夜どちらも使える万能カラー
- 50D → 昼光で鮮やかな映画的カラー
夜の撮影が多い人、映画的な雰囲気が好きな人にはベストなメーカーです。
6. メーカー別の色味比較まとめ
| メーカー | 色味の傾向 | 向いている写真 |
|---|---|---|
| Kodak | 暖色・映画風 | ポートレート・夕景 |
| Fujifilm | 透明感・爽やか | 日常・自然光 |
| Lomography | クセ強め・アート系 | アート作品・遊び撮影 |
| CineStill | 映画的・夜に強い | ネオン・夜景 |
フィルムの色を理解すると、自分の撮りたい作品が明確になり、 カメラ選びやフィルム選びが一気に楽しくなります。
7. まとめ ― 色の違いを知ることは“表現の違い”を知ること
フィルム選びは「撮りたい写真の色」を選ぶ、ということでもあります。
- Kodak → 暖色で映画的
- Fujifilm → 透明感・青緑が美しい
- Lomography → 個性と遊び
- CineStill → 夜の光をドラマチックに
あなたの好みの色を探す旅こそ、 フィルム写真の一番楽しい部分です。
2025年12月15日
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