公開日:2025年12月
最終更新:2025年12月
中判 vs 35mm ― 今撮るならどっちが満足度が高い?

中判 vs 35mm ― 今撮るならどっちが満足度が高い?
― 描写・コスト・携帯性でプロ視点の比較
1. はじめに ― “フィルム高騰時代”の永遠のテーマ
2025年のフィルム市場は、価格高騰・現像代上昇の影響で 「中判を続けるべきか?」
「35mmに戻るべきか?」 という悩みが増えています。
どちらも魅力がありますが、用途・予算・撮影スタイルによって “満足度が大きく変わる”のも事実。
この記事では、フィルム専門店としての視点で 「描写」「コスト」「携帯性」「将来性」など 複数の角度から両者を徹底比較します。
2. 描写力なら“圧倒的に中判” ― これは揺るがない事実
中判フィルム(120)が優れているのは、 フィルム面積が35mmの約3〜4倍あること。
■ メリット
- 解像度が高い(大型プリントに強い)
- 階調が滑らか(ハイライトからシャドーまで美しい)
- ボケが綺麗
- ポートレートの立体感が段違い
■ 実際の代表機
- PENTAX 67II + 105mm F2.4(圧倒的立体感)
- Fujifilm GA645 / 6×4.5判(高解像&スナップ向き)
- GW690(“バケペン”の愛称どおりの大迫力)
- Mamiya 6 / 7(レンジファインダー中判の頂点)
絵としての美しさを追求するなら中判一択。
3. ただし“コスト”は35mmの圧勝
フィルムも現像も、2025年はどちらも高騰しています。 中判は特に影響が大きい理由として:
- 1本で撮れる枚数が少ない(6×7で10枚、6×4.5で15〜16枚)
- 現像代が35mmよりやや高い店が多い
- ブローニーフィルムの価格が上がりやすい
■ 例:年間コスト比較(目安)
- 35mm: 1本あたり 2,000〜3,000円 × 撮影頻度
- 中判: 1本あたり 2,200〜3,500円(枚数は1/2〜1/3)
撮影頻度が多い人は、 35mmのほうが圧倒的に財布に優しいのは間違いありません。
4. 携帯性・スナップ向きは“圧倒的に35mm”
中判はカメラが大きい・重い・取り回しが悪いという欠点があります。
代表例
- PENTAX 67 → 2kg近く、気軽に持ち歩けない
- GW690 → ボディもレンズも巨大
- Mamiya RZ → 完全にスタジオ専用
街中や旅行で気軽にスナップを撮るなら、 35mmの方が圧倒的に楽です。
特にコンパクト機(T2 / GR1 / Mju II)との比較では “中判が勝てる要素がほぼない”と言っていいでしょう。
5. 将来価値(リセール)は“中判がやや有利”
中古市場全体を見たとき、 中判カメラは資産価値が落ちにくい傾向があります。
- Mamiya 6/7 → 高騰が続く
- PENTAX 67II → 良品は常に不足
- GA645 → 絶対数が少なく需要が継続
35mmも人気はありますが、 電子コンパクトは壊れると価値ゼロになるリスクがあります。
中判のほうが構造がシンプルで、修理しやすい機種が多いのもポイント。
6. では結局どっちが“満足度”が高いのか?
■ 結論(撮影スタイルで完全に変わる)
【中判が向いている人】
- 作品としての写真にこだわりたい
- ポートレート・風景を美しく撮りたい
- 撮影枚数が少なくても満足できる
- 重さや大きさを許容できる
【35mmが向いている人】
- 撮影枚数が多い(スナップ・旅行)
- コストを抑えたい
- コンパクトなカメラがいい
- 扱いやすいカメラが欲しい
つまり、 コスパ・機動力 → 35mm 描写・質感 → 中判
どちらも正解であり、 “自分の撮影スタイルに合っているか”がすべてです。
7. まとめ ― 2025年の選び方は“フィルム代 × 撮影枚数”で決まる
フィルム価格が上がった今こそ、 中判と35mmのメリット・デメリットを理解して選ぶことが重要です。
たくさん撮るなら35mm。 1枚の重みを楽しむなら中判。
どちらを選んでもフィルムの魅力は変わりません。 あなたの撮影スタイルにあった最高の1台を選んでみてください。
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2025年12月06日
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