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最終更新:2025年11月

第1章:ドイツの誇り、ZeissとCONTAXの誕生

第1章:ドイツの誇り、ZeissとCONTAXの誕生 ― 世界最高のカメラを追い求めた物語

1. CONTAXの誕生 ― 「ライカを超える」ために生まれたブランド

1930年代初頭、ドイツは光学技術の最先端を誇る国でした。 その中心にいたのがCarl Zeiss(カール・ツァイス)と、 その製造部門を担うZeiss Ikon(ツァイス・イコン)です。 当時、カメラ市場ではLeica(ライカ)が世界を席巻しており、 Zeissは「Leicaを超える究極のカメラを作る」という目標を掲げました。 その結果、1932年に誕生したのが初代CONTAX(コンタックス)です。

CONTAXは単なる競合製品ではなく、Zeissの総力を挙げた技術的挑戦でした。 堅牢な金属ボディ、精密なレンジファインダー、そして世界最高レベルのレンズ群。 Zeissは、光学・機械の両面で“究極の精密機器”を作ることを使命としていたのです。

2. CONTAX I 〜 III ― 技術のZeiss、感性のLeica

1932年に登場したCONTAX Iは、独自のシャッター機構と金属製ボディを備えた革新的なモデルでした。 1936年には改良版のCONTAX IICONTAX IIIが登場。 特にIIは世界初の一体型レンジファインダー&ビューファインダーを採用し、 Leicaを凌駕する完成度を実現しました。

Zeissの設計者たちは、精度・堅牢性・描写力のすべてを追求し、 「感覚的なLeica」に対して「理詰めのZeiss」という対比が生まれます。 その象徴が、光学設計者ルートヴィヒ・ベルテレが手掛けたレンズ群でした。

3. Zeissの誇り ― SonnarとBiogonの登場

ベルテレによって開発されたSonnar(ゾナー)レンズは、 明るくシャープで、極めてコントラストの高い描写を実現しました。 さらに広角の傑作Biogonは、歪みを極限まで抑えた設計で、 風景や建築写真において圧倒的な性能を誇りました。

これらのレンズは、後のPlanarやDistagonなどへと受け継がれ、 Zeiss光学の“魂”として今もCONTAXシリーズの代名詞になっています。 1930年代のZeissは、まさに“レンズ設計という芸術”を確立した時代だったのです。

4. 戦争と分断 ― 2つのZeiss、そして消えたCONTAX

第二次世界大戦の終結後、ドイツは東西に分断され、 Zeissも東ドイツ(Jena)と西ドイツ(Oberkochen)に分かれました。 この結果、同じ“Zeiss”を名乗る企業が2つ存在するという異例の事態が発生。 さらに、戦後の混乱の中でCONTAXブランドの権利も曖昧となり、 西側では「Zeiss Ikon CONTAX」、東側では「Zeiss Jena Contax」と それぞれ異なる方向で開発が進みます。

しかし、市場の混乱と技術的制約により、CONTAXブランドは1950年代半ばには事実上休眠状態に。 この時点で、多くのファンは「もう二度とCONTAXは戻らない」と考えていました。

5. 消えた名門、そして「再生」への布石

1960年代後半、ドイツ国内ではZeiss Ikon自体が経営難に陥り、 ついに1972年にカメラ製造から撤退を決断します。 しかし、Zeissの技術者たちはこの決定を静かに受け入れられませんでした。 「光学の名に恥じない、真のCONTAXをもう一度作りたい」――。 その想いが海を越え、日本のYASHICAとの運命的な出会いへとつながります。

ここから始まるのが、次章「日本製CONTAX開発秘話 ― 京セラが継いだ夢」。 ドイツの理想を日本の技術が受け継ぐ、新たな時代の幕開けです。

まとめ

CONTAXの誕生は、ドイツが誇る技術と職人精神の象徴でした。 Zeissが掲げた「最高の光学を最高のカメラに」という理念は、 その後も時代を超えて受け継がれていきます。 Leicaと並び、世界のカメラ史を形作ったこのブランドの物語は、 今なお多くの写真家にとって“原点”であり続けています。

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2025年11月14日

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