公開日:2025年12月
最終更新:2025年12月
2025年版:中判は買うべき?やめるべき?

2025年版:中判は買うべき?やめるべき?
― Mamiya・Hasselblad・GF670 の価値を冷静に分析
1. はじめに ― “中判の時代は終わったのか?”2025年のリアル
2021〜2023年、中判フィルムカメラは空前のブームでした。 特に Mamiya 7II、GF670、Hasselblad 500 系は “プロと趣味の頂点”として人気が集中しました。
しかし2025年の今、市場の空気は少し変わっています。 フィルム価格は上昇。中判フィルムの入手性も低下。 その結果、買うべき人と、今はやめた方がいい人が明確に分かれる状況になりました。
この記事では、専門店の視点から 「中判を買うべきか?」 「どの機種が価値を維持するのか?」 を徹底的に整理します。
2. 結論:中判は“万能ではない”。買うべき人だけが買えば良い時代に
2025年の結論は非常にシンプル。
- 買うべき人 → 作品撮りや本気の表現を求める人
- やめた方がいい人 → コストや機動性を重視する人
中判は確かに魅力がありますが、 フィルム代、現像代、サイズ、取り回しの全てが負担になる可能性があります。
3. 今 “買う価値がある” 中判カメラはわずか3つ
■ ① Mamiya 7II(または Mamiya 6 / 7)
中判レンジファインダーの頂点。 理由:
- レンズが最高峰レベルでシャープ
- ボディが軽く、持ち運べる中判
- 6×7 の圧倒的な画質
- 部品供給は厳しいが人気が絶えない
2025年の今も中判で“間違いない”唯一の選択肢と言えます。
■ ② FUJIFILM GF670(Professional / W)
中判フィルムの最後の名機。 軽量・静音・ポータブル、中判とは思えない使いやすさ。
- 折りたたみ式でコンパクト
- レンズが非常に高性能
- 修理できないが故障例は少ない
- “最後の新しい中判カメラ”という希少性
中判の中でも特に実用性と写りを両立したモデルです。
■ ③ Hasselblad 500C/M 〜 503CX
王道の中判一眼レフ。 フィルムの“質感や密度”を味わいたい人に最適。
- 構造がシンプルで壊れにくい
- Carl Zeiss レンズが極めて高性能
- 修理・メンテナンス体制が安定している
- 部品が豊富で将来性あり
“中判らしさ”を最も感じられる機種です。
4. 逆に、今“おすすめしない”中判カメラ
■ ① Bronica(SQ / ETR / GS-1 シリーズ)
- 部品供給がほぼ終了
- 修理可能な業者も少ない
- レンズは良いが今はリスクが高い
■ ② ペンタックス67(特に初期型)
- シャッターやミラー周りの故障が多い
- 修理費用が高騰
- 重くて取り回しが大変
ただし67IIは安定性が高く例外的に人気です。
■ ③ 古い蛇腹式(スプリングカメラ系)
- 蛇腹の光漏れが多い
- 修理費用がかかる
- 精度が低く失敗しやすい
“味”はあるものの初心者には難易度が高いです。
5. 2025年、中判フィルムの価格と供給状況
中判はフィルム代が高いのが最大のネックです。
- 120 フィルム 1本 = 1,800〜3,500円
- 現像 1本 = 700〜1,200円
- 1回の撮影コストが 1,000〜5,000円 になることも
さらにFUJIFILM製フィルムの縮小により:
- プロビア/ベルビアの安定供給は不透明
- カラーより白黒の方が安定
つまりランニングコストの意識が非常に重要になります。
6. 中判を“買うべき人”と“やめるべき人”の明確な線引き
■ こんな人は買うべき
- 作品として写真を残したい
- プリントの質にこだわりたい
- ブック・展示などを考えている
- 操作に時間をかけられる
■ こんな人はやめた方がいい
- 気軽にスナップしたい
- 撮影コストを抑えたい
- 軽いカメラが好き
- フィルム初心者
2025年の中判は“覚悟が必要なカメラ”と言えるでしょう。
7. 結論 ― 中判は“やめる理由も多いが、ハマると一生もの”
中判フィルムはコストも手間も大きいですが、 得られる画質と体験は、35mmとは別次元です。
まとめると:
- 買う価値がある → Mamiya 7 / GF670 / Hasselblad 500系
- やめるべき → 故障リスクの高い古い中判全般
- 撮影目的次第で価値が大きく変わる
2025年の今こそ、中判は“目的がある人だけの道具”と言えます。 しかし一度ハマれば、これ以上ない深い世界が待っています。
2025年12月10日
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