公開日:2025年12月
最終更新:2025年12月
2025年版:中古フィルムカメラの“避けるべき落とし穴

2025年版:中古フィルムカメラの“避けるべき落とし穴”
― 価格高騰で増えたトラブル事例まとめ
1. はじめに ― フィルム高騰時代は“失敗する人”も増えている
2025年のフィルム市場は、カメラ本体・フィルム代・現像代が高騰し、 中古カメラを買うリスクが過去最大に高まっています。
特にネット購入・フリマアプリ・海外オークションなどで、 「買ったばかりなのに壊れた」「写真が全部真っ白」など、 トラブル相談が急増しています。
この記事では、実際の買取現場で頻発している “中古市場の落とし穴”とその対策をまとめます。
2. 落とし穴①:高級コンパクトの“電子死亡問題”
2020年以降で最も多いトラブルがこれ。
■ 特に注意すべき機種
- CONTAX T2 / T3
- RICOH GR1 / GR1v / GR1s
- MINOLTA TC-1
- Nikon 35Ti / 28Ti
■ 典型的な故障例
- シャッターが切れない
- 巻き上げエラー(モーターの寿命)
- 液晶表示が消える(GR1系)
- 絞りユニット死亡(Minilux・TC-1)
これらは修理不能(部品欠品)のケースも多く、 「外観美品=安心」ではまったくないのが現実です。
3. 落とし穴②:シャッター幕の“焼け・穴あき”に気づかない
Leica MシリーズやCanon・Nikonの古い機械式で増えているのが、 布幕シャッターの劣化です。
■ よくある症状
- 幕の“ピンホール”(白い点状の光漏れ)
- 幕のシワ → 露出ムラ
- スローが安定しない
太陽に向けて一枚だけ撮った写真に 白いポツポツが映る=幕が焼けている これが最も多いパターンです。
シャッター幕交換は高額なので、 購入前に必ずチェックすべきポイントのひとつです。
4. 落とし穴③:レンズの“バルサム切れ”を見抜けない
中古市場で急増しているのが、 レンズのバルサム切れ・クモリ・カビです。
■ 特に注意すべきレンズ
- Leica Summicron 35mm / 50mm(旧タイプ)
- Nikon 大口径(50mm F1.2・85mm F1.4など)
- Canon L39系
バルサム切れは写真に写り込むことが多く、 交換修理は非常に高額または不可のケースがほとんど。
“見た目が綺麗でも内部に劣化がある” これがレンズ中古の怖さです。
5. 落とし穴④:モルト劣化で“光漏れフィルム祭り”
古い一眼レフやレンジファインダーで最も多いトラブル。 モルト(遮光材)がボロボロになり光漏れするケースです。
■ 典型的な症状
- フィルム端に赤い光線
- カメラ後部に縦の白線
- 露光ムラ
モルト交換は比較的安くできますが、 購入直後のトラブルとして最も多い部分です。
6. 落とし穴⑤:シャッター速度不良を見落とす
メカシャッターのフィルムカメラでは避けられない問題ですが、 特に影響が大きいのは:
- Nikon FM / FE / F2系
- Canon Aシリーズ
- Leica M(布幕)
スローが遅い、幕走りが不均一、 これらは写真全体の露出に影響します。
「動く=正常」ではない これが初心者が最も誤解しやすいポイントです。
7. 落とし穴⑥:ネットの“曖昧な表記”にだまされる
フリマアプリ・海外サイトでは特に注意。
■ 危険な表記
- 「未確認ですが動作してそう」
- 「古いので保証なし」
- 「レンズ内チリあり(実は曇り)」
- 「シャッター切れます(速度精度は不明)」
これらは明らかにリスクが高く、 実際の買取依頼でも多くのトラブル個体が流れ込んできます。
8. 落とし穴⑦:海外版の“改造個体”が増えている
海外オークションで購入したカメラが、 部品抜き・改造済み・修理歴偽装であるケースも増えています。
特に注意すべきポイント:
- 張り革が不自然に綺麗 → 外装のみ修復して内部ボロボロ
- シャッター音が異常に軽い → 幕調整不良
- 絞り羽根が黒く塗られている → オイル漏れ隠し
海外個体は相場より安いことが多いですが、リスクは大きいです。
9. トラブルを避けるために、何をチェックすべきか?
■ カメラ本体
- 光漏れチェック(モルト)
- シャッター全速チェック
- 巻き上げ・巻き戻しの滑らかさ
- ファインダーの曇り
■ レンズ
- 逆光での曇りチェック
- バルサム切れ
- カビ・細菌跡
- ヘリコイドの重さ
■ コンパクト機特有のチェック
- AFが迷わないか
- 鏡胴の伸び・戻りが正常か
- 液晶表示
- モーター音(異音の有無)
10. まとめ ― “高騰時代”は中古カメラの選び方がすべて
2025年のフィルム市場では、 人気・価格・需要がすべて上昇し、 そのぶんリスクも比例して増えているのが実情です。
中古フィルムカメラは素晴らしい趣味ですが、 知識なく買うと高確率で失敗する時代になりました。
・電子機種の寿命 ・レンズの劣化 ・光漏れ ・偽装 など、落とし穴を理解したうえで選ぶことで、 長く安心してフィルム写真を楽しむことができます。
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2025年12月07日
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