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最終更新:2025年12月

LeicaとNikonの“機械式シャッター”はなぜ壊れないのか?

LeicaとNikonの“機械式シャッター”はなぜ壊れないのか?
― フィルム時代の精密機械の耐久性を科学する

1. はじめに ― 電子シャッター全盛の時代に、機械式が“再評価”される理由

電子制御が当たり前の現代。 しかしフィルムカメラの世界では、逆に機械式シャッターの価値が急上昇しています。

特に評価されているのが:

  • Leica M3 / M2 / M4 / M6(前期)
  • Nikon F / F2 / FM2 / FE2 / FM3A

これらの機種は発売から40〜60年経つにも関わらず、 今も現役で使えるという驚異的な性能を持ちます。

では“なぜ壊れないのか?” この記事では、その理由を構造・素材・設計思想の観点から解き明かします。


2. 最大の理由:電子部品を極限まで使わない「純機械設計」

LeicaやNikonの名機が長寿命である理由の根本は、 電子部品が極端に少ない=経年劣化のリスクが低いという点です。

■ 機械式シャッターの特徴

  • ゼンマイ(スプリング)で動く完全な機械仕掛け
  • 電子回路がほとんど不要
  • 摩耗部品は交換可能
  • 温度変化や経年劣化に強い

つまり機械式シャッターは“直せる・維持できる”構造そのものなのです。


3. Leicaの凄さ ― 職人が“調律”した精密機械

■ ① シャッター幕がシルクのように動く理由

Leicaの布幕シャッターは、複数の歯車・軸・スプリングが 音もなく連動するよう設計されています。

  • 摩擦を最小限に抑えた部品加工
  • 幕のテンション調整が職人の手作業
  • 部品の精度が異常なほど高い

これは“設計+手作業の職人技”が生んだ奇跡。 現代では再現が極めて困難です。

■ ② オーバーホールで蘇る構造

Leicaは基本的に、劣化しても次でカバー可能:

  • 幕交換が可能
  • 軸・ギア・スプリングは交換・調整可能
  • 構造がシンプルでメンテ前提

つまり半永久的に生き続ける前提で作られているのです。


4. Nikonの凄さ ― 工業製品としての完成度が異常に高い

■ ① Fシリーズの“堅牢性の怪物”設計

Nikon F / F2 は軍用仕様として設計されました。 そのため:

  • 極寒でも壊れない潤滑設計
  • 金属パーツの耐久性が非常に高い
  • 落下・衝撃に強い

特にF2は10万回以上の耐久試験をクリアしたと言われています。

■ ② FM2の“機械式の最終進化系”

FM2は1/4000秒という当時世界最速の機械式シャッターを実現。 しかも故障率が極めて低く、今も現役ユーザーが非常に多いです。

理由は:

  • シャッター羽根がチタン(初期型)
  • 温度変化に強い潤滑剤
  • 寸分の狂いもない機械加工

機械式一眼レフのひとつの到達点と言われています。


5. 構造がシンプルだから“直せる”という圧倒的なメリット

CONTAXやMiniluxなどの90年代高級コンパクトと違い、 LeicaやNikonの機械式は修理前提の構造です。

■ 修理できるポイント

  • 部品は分解可能
  • 代替パーツを作ることも可能
  • 電子基板に依存していない

つまり“メンテすれば復活する”という圧倒的な生命力があります。


6. だから中古市場で価値が落ちない

LeicaやNikon機械式が人気なのは、写りが良いだけでなく:

  • 壊れにくい
  • 壊れても直せる
  • 50年後も使える可能性が高い

つまり資産価値として非常に優秀なのです。

特に2025年は、電子部品寿命問題により、 “機械式の価値が過去最高に高まっている”状態です。


7. まとめ ― 機械式は“時代を超えるカメラ”、電子式は“時代のカメラ”

  • Leica → 精密機械 × 職人技 × 半永久構造
  • Nikon → 工業技術 × 軍用思想 × 驚異の耐久性
  • 機械式シャッター → 修理できる(最大の強み)
  • 電子式カメラ → 部品寿命が避けられない

だから、Leica M型やNikon F系は“未来でも使えるカメラ”なのです。

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2025年12月10日

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