公開日:2025年11月
最終更新:2025年10月
CANON Lレンズの歴史と哲学

CANON Lレンズの歴史と哲学 ― 「赤鉢巻」に込められた、キヤノンの光学技術と理想への挑戦
1. はじめに ― 「L」が象徴する理想と妥協なき性能
CANONの交換レンズの中で、鏡筒に赤い帯が巻かれた**「Lレンズ」**は、その卓越した光学性能と信頼性の証です。Lは**「Luxury(贅沢)」**に由来し、キヤノンのレンズ技術の粋を集めたフラッグシップモデルにのみ与えられる称号です。
Lレンズの歴史は、フィルム時代のFDマウントから始まり、EOSシステムのEFマウントで本格的に発展し、現在のミラーレス**RFマウント**へと引き継がれています。その哲学は、常に**「理想の描写」**と**「プロの信頼」**を追求することにあります。
2. Lレンズの誕生と「マウント革命」EFシステム
Lレンズのルーツは、FDマウント時代にも存在しましたが、そのシステムと技術が飛躍的に発展したのは、1987年のEOSシステム導入と**EFマウント**への移行からです。
- **「赤鉢巻」の由来**:鏡筒に巻かれた赤い帯は、非球面レンズやUDレンズ(特殊低分散ガラス)などの特殊光学材料を使用し、**色収差(色のにじみ)を極限まで補正**した、理想的な光学性能を持つレンズの証です。
- **EFマウントの恩恵**:電気通信によるAF駆動と制御が可能になったEFマウントは、**超音波モーター(USM)**の搭載を可能にし、**高速かつ静かなAF**を実現。また、大口径マウントが**F1.0やF1.2**といった超大口径レンズの設計を可能にしました。
- **「プロ仕様の堅牢性」**:防塵・防滴構造、過酷な温度変化に耐えうる耐久性など、プロの現場での使用を前提とした設計が施されました。
Lレンズは、プロの要求に応える**「信頼性」**と、妥協のない**「描写力」**を同時に提供しました。
3. Lレンズの描写哲学:「理想の描写」と「アウトフォーカス」
キヤノンのLレンズ開発における指針は、単に解像度が高いことだけではありません。
- **理想の色再現**:物体が持つ色を忠実に再現するだけでなく、**「記憶色(人が美しいと感じる色)」**を追求し、特に肌色などの表現に優れる
- **アウトフォーカスの描写**:ピントが合っていない**「ボケ(アウトフォーカス)」の描写**も重視。ボケの輪郭が硬くなりすぎず、自然で美しいボケ味を追求することで、写真全体の立体感を向上させている
- **キヤノン独自の技術**:蛍石、UDレンズ、DOレンズといった特殊な光学素子を、**「足りない技術は自分たちで創る」**という信念のもと開発し、色収差を徹底的に排除
Lレンズは、**「物体の一点から出た光線が、レンズを通過した後一点に集まること」**という光学的な理想を、限りなく現実にしたレンズ群と言えます。
4. RFマウントへの進化:革新の加速
ミラーレスのEOS Rシステムが登場し、マウントが**RFマウント**へと進化しても、Lレンズの哲学は不変です。
- **RF Lレンズのポテンシャル**:短いフランジバック(レンズとセンサーの距離)と大口径マウントにより、レンズ設計の自由度がさらに向上。EFでは不可能だった**F1.2**などの超大口径レンズを、より小型かつ高性能で実現
- **高速通信の活用**:カメラとレンズ間の高速通信(12ピン)を活用し、ボディ内手ブレ補正との協調制御や、レンズ内の**デジタルレンズオプティマイザ(DLO)**をリアルタイムで動作させて描写を最適化
RF Lレンズは、伝統的な光学性能に加え、デジタル技術との融合により、**表現の可能性をさらに拡大**しています。
5. 買取・販売について
当店 買取の鶴岡 では、
CANONの**Lレンズ(EF L、RF Lレンズ)**全般を**積極的に査定し、幅広くお取り扱い**しております。
特に、**防塵防滴機能**が正常で、レンズ内の光学系(カビ、クモリ、キズ)がない美品、そして**EFマウント時代の超大口径単焦点レンズ**は、その市場価値を最大限に評価いたします。CANON Lレンズのご売却・ご購入の相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
**CANON Lレンズの歴史**は、**理想の描写を追求し続けるキヤノンの情熱**の証です。「赤鉢巻」は単なる装飾ではなく、プロの信頼と最高性能を担保するシグナル。Lレンズを手にすることは、キヤノンの**光学技術の粋**を携行することに他なりません。
2025年11月03日
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