公開日:2025年11月
最終更新:2025年11月
CONTAX RTS IIIのバキューム機構と究極の平面性

CONTAX RTS IIIのバキューム機構と究極の平面性 ― フィルムの歪みを許さなかったフラッグシップの執念
1. はじめに ― 「平面性」への異常なまでのこだわり
CONTAX RTS III(1990年発売)は、RTSシリーズの最終フラッグシップであり、その堅牢なボディと高性能なCarl Zeissレンズが特徴です。しかし、このカメラが他のプロ機と一線を画す最大の技術的特徴は、**「フィルム背面吸引機構(バキューム機構)」**の搭載にあります。
これは、シャッターを切る瞬間にフィルムを吸い付け、**フィルム面の平面性を極限まで高める**ための独創的な技術でした。なぜCONTAXはそこまで平面性にこだわったのか、その執念と描写への影響を解説します。
2. バキューム機構の原理と目的
フィルムは湿度の変化や巻き取りのテンションによって、僅かにカール(反り)が生じます。特に高解像度のツァイスレンズを使用した場合、この**微細なフィルムの歪み**が、シャープネスを損なう原因となり得ます。
- **機構の原理**:シャッターを切る直前に、フィルム圧板と裏蓋の間に設けられた穴から空気を抜き、フィルムを圧板に密着させます。これにより、圧板の精密な平面性をフィルムが忠実に再現します。
- **究極の平面性**:フィルム面が完全に平坦になり、**レンズの持つ解像力と性能を100%引き出す**ことが可能になりました。
- **技術の象徴**:この複雑で大掛かりな機構は、**「レンズの性能を最大限に活かすためには、フィルムのわずかな歪みさえも許さない」**という、CONTAXとZeissの妥協なき哲学の象徴です。
3. RTS IIIに搭載されたその他のフラッグシップ機能
RTS IIIは、バキューム機構以外にも、プロの要求に応える数々の高度な機能を搭載していました。
- **高速シャッター**:最高シャッター速度**1/8000秒**を達成。明るい場所での大口径レンズ使用にも対応しました。
- **TTLダイレクト測光**:フィルム面で反射した光を直接測光する(TTL-OTF)方式により、ストロボ撮影時も**極めて正確な調光**を実現しました。
- **堅牢なボディ**:チタンを多用した堅牢なボディは、プロの過酷な使用にも耐える高い信頼性を誇りました。
4. 買取・販売について
当店 買取の鶴岡 では、
CONTAXの**RTS III**をはじめ、**RTSシリーズ**、そして**Carl ZeissのY/Cマウント交換レンズ**を**積極的に査定し、幅広くお取り扱い**しております。
RTS IIIは、その機構の複雑さから、バキューム機構や電子系の動作確認が重要です。**バキューム機構が正常に作動する完動品**は、その市場価値を最大限に評価いたします。CONTAX製品のご売却・ご購入の相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
**CONTAX RTS III**のバキューム機構は、フィルムカメラの技術が目指した**究極の到達点**の一つです。フィルムの歪みという、見過ごされがちな問題にまで技術を注ぎ込んだRTS IIIは、**「写真を芸術に高める」**というCONTAXの哲学が、いかに妥協を許さないものであったかを物語っています。
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2025年11月12日
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