公開日:2025年10月
最終更新:2025年10月
Hasselblad(ハッセルブラッド)とは。 ― 「宇宙に行ったカメラ」が確立した中判システムの哲学

Hasselblad(ハッセルブラッド)とは。 ― 「宇宙に行ったカメラ」が確立した中判システムの哲学
1. はじめに ― 写真史を塗り替えたスウェーデンのブランド
Hasselblad(ハッセルブラッド)は、スウェーデン発祥のカメラメーカーであり、その名は**「中判カメラの頂点」**として世界的に知られています。特に有名なのは、1969年のアポロ11号による**人類初の月面着陸**の際に、歴史的な瞬間を記録したカメラであるという事実です。
そのカメラが持つ哲学は、**「カール・ツァイスレンズ」**と、徹底した**「モジュラー(ユニット)システム」**に集約されています。
2. Vシステム:モジュラー設計の誕生と進化
ハッセルブラッドの代名詞が、1957年に登場した**500C**に始まる**「Vシステム」**です。これは、カメラの各部位をユニット化し、交換可能にした画期的な設計でした。
- **主要コンポーネント**:ボディ、レンズ、フィルムマガジン、ファインダーがすべてワンタッチで着脱可能
- **フィルムマガジン**:撮影途中でもマガジンを交換することで、フィルムの種類(カラー/モノクロなど)を瞬時に変更可能
- **レンズシャッター**:レンズにシャッター機構が内蔵されており、**全速(最高速含む)でストロボに同調**できる(スタジオ撮影において決定的な優位性)
- **500C/M**:特に中古市場で人気の高いモデル。「M」はModify(改良)を意味し、ユーザー自身でファインダースクリーン交換が可能となった
このモジュラー設計は、プロの現場での高い汎用性と信頼性を実現し、ハッセルブラッドの地位を確固たるものにしました。
3. Hasselbladの核:カール・ツァイスの光学美
ハッセルブラッドの描写を支えているのは、ドイツの光学メーカー**Carl Zeiss(カール・ツァイス)**が専用設計したレンズ群です。
- **Planar (プラナー)**:標準レンズ**80mm F2.8**が有名。中判ならではのなだらかなボケと、高いシャープネスを両立し、**被写体の立体感**を引き出す
- **Biogon (ビオゴン)**:**SWC**(Super Wide Camera)という広角専用機に搭載。超広角ながら歪曲収差が極めて少ない、奇跡的なレンズ設計
- **中判描写の醍醐味**:35mm判の約4倍の面積(6×6cm)が、豊かな階調と色彩を記録し、**「空気感」**までも写し出す
このツァイスレンズの性能があったからこそ、ハッセルブラッドは「中判カメラの王者」であり続けられました。
4. 「ましかく写真」と撮影の作法
Vシステムが採用する**6×6cmの正方形フォーマット**は、ハッセルブラッドの象徴です。
- **構図の自由度**:縦位置、横位置の概念がないため、ファインダーを覗いた瞬間から「正方形」という独自の構図感覚が求められる
- **ウエストレベルファインダー**:上から覗き込む独特の姿勢は、撮影者に落ち着きと集中を促し、**写真を撮る行為を「儀式」**へと昇華させる
この独自のフォーマットとスタイルは、現代のデジタルカメラにはない、**アナログな撮影の悦び**を与えてくれます。
5. 買取・販売について
当店 買取の鶴岡 では、
Hasselbladの**Vシステム(500C/M、503CWなど)**、**SWCシリーズ**、および**各種カール・ツァイスレンズ**を**積極的に査定し、幅広くお取り扱い**しております。
特に、良質なレンズの状態や、純正アクセサリー(A12マガジン、交換ファインダーなど)が揃っているセットは、その価値を丁寧に評価いたします。ハッセルブラッドのご売却・ご購入の相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
**Hasselbladとは、最高の技術と最高の芸術性を融合させた、中判カメラの哲学そのもの**です。「宇宙に行ったカメラ」という確かな信頼性と、6×6判が生む比類なき描写力は、時代や技術の進化を超えて、写真家たちの最高のツールであり続けています。
2025年10月26日
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