公開日:2025年12月
最終更新:2025年12月
Nikonの名玉“Ai-Sレンズ”はなぜ復活したのか?

Nikonの名玉“Ai-Sレンズ”はなぜ復活したのか?
― デジタル時代に手動レンズが支持される理由
1. はじめに ― いまAi-Sレンズが再評価されている
NikonのAi-Sレンズは、1970〜90年代に作られたマニュアルフォーカスの銘玉シリーズです。 デジタル化が進んだ今、驚くべきことにこの“古いレンズ達”が再び人気を集めています。
理由は単純なノスタルジーではありません。 現代のデジタルと組んでも圧倒的に魅力的な写りを生むからこそ、復活したと言えます。
2. Ai-Sレンズとは? ― Nikon光学の黄金期の結晶
Ai-Sレンズは以下の特徴を持つ、Nikonの歴史的名シリーズです:
- 金属鏡筒で堅牢性が高い
- 全てがマニュアルフォーカス
- 機械的精度が非常に高い
- 光学的にも名玉が多数
特に50mm・28mm・105mmなどは今でも“伝説級”として語られています。
3. では、なぜ今になってAi-Sが再評価されているのか?
■ ① デジタルでは再現できない“フィルム的な描写”がある
Ai-Sの描写には、現代レンズにはない個性があります。
- 柔らかいハイライト
- フィルム的な階調の出し方
- 極端にコントラストをかけない設計
- クセのあるボケが味になる
現代レンズは“完璧”ですが、Ai-Sは味・色気・空気感があります。 デジタル時代だからこそ、その差がより際立っています。
■ ② Zシリーズ(Z6II・Zf など)との相性が抜群
Nikon Zシリーズのピント拡大・ピーキングの性能向上により、 MFレンズが非常に使いやすくなりました。
その結果:
- Zf に Ai-S 50mm F1.2
- Z6II に Ai-S 28mm F2.8
- Z7 に Ai-S 105mm F2.5
といった“オールド × デジタルの組み合わせ”が大流行しています。
これは10年前では考えられなかった現象です。
■ ③ 全金属製の操作感が心地よすぎる
Ai-Sレンズは、現代では考えられないほど機械加工にコストがかけられていました。
- ヘリコイドの滑らかさ
- 絞りリングの“カチッ”という確かな感触
- 操作しているだけで楽しい精密感
“触って気持ちいいレンズ”としての魅力は、現代の樹脂鏡筒では得られません。
■ ④ 中古価格が手頃で、名玉が揃いやすい
Ai-Sラインは名玉が多いのに、価格が比較的手頃。 そのため、若者にとって「最初のニッコール」としても魅力が高いのです。
- 50mm F1.4 Ai-S
- 28mm F2.8 Ai-S(CRC搭載)
- 105mm F2.5 Ai-S
- 55mm F2.8 Micro-Nikkor
このあたりは常に人気で、中古市場でも回転が早いレンズ群です。
■ ⑤ フィルム機との組み合わせで“最強のクラシック体験”ができる
FM2・FE2・F3・F4など、Nikonフィルム機との互換性の広さは圧倒的です。
Ai-Sレンズは“デジタルでもフィルムでも使える”ため、 フィルム文化が再ブームとなった近年、再び注目が集まっています。
4. 有名な「Ai-S名玉」ベスト5
復活の中心となっている代表的な名玉はこちら:
① NIKKOR 50mm F1.2 Ai-S
独特のボケ・立体感。唯一無二の“夢レンズ”。
② 28mm F2.8 Ai-S(CRC搭載)
広角の名玉。軽くてよく写り、Zとの相性も最高。
③ 105mm F2.5 Ai-S
ポートレートの歴史を作ったレンズ。柔らかさとシャープさの両立。
④ 55mm F2.8 Micro-Nikkor
接写だけでなくスナップでもキレ味抜群。
⑤ 35mm F1.4 Ai-S
“開放の暴れ方”が楽しい一本。表現の幅が広い。
5. まとめ ― Ai-Sは“古くて新しい最高のレンズ”
Ai-Sレンズが2025年に再評価されるのは、 単なる懐古主義ではなく「写り・操作性・相性」全てのバランスが 現代にマッチしているからです。
– フィルムとの相性 – Zシリーズとの組み合わせ – 金属鏡筒の操作感 – 個性のある描写
これらが重なり、「いま撮っても最高に楽しいレンズ」として Ai-Sは完全復活を果たしています。
2025年12月05日
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