公開日:2025年11月
最終更新:2025年11月
OLYMPUS PEN-Fのレンズシステム徹底解説

OLYMPUS PEN-Fのレンズシステム徹底解説 ― Fマウントが拓いた「ハーフサイズ一眼レフ」の可能性
1. はじめに ― 天才・米谷美久が生んだ独自のレンズシステム
OLYMPUS PEN-F/FT/FVシリーズは、世界で唯一のレンズ交換式ハーフサイズ一眼レフという、極めてユニークな存在です。通常の35mm一眼レフとは一線を画すその小型ボディは、PENのために設計された専用の**「PEN Fマウント」**レンズによって支えられていました。
このシステムは、天才設計者・米谷美久氏の「どこにもないものを作る」という思想のもと、広角から超望遠、特殊レンズまで、多岐にわたるラインナップが展開されました。今回は、そのPEN Fマウントレンズの魅力と、システム全体が持つ意義に迫ります。
2. PEN Fマウントレンズの設計思想と特徴
PEN Fマウントのレンズは、ハーフサイズフォーマット(18×24mm)という制約の中で、高い光学性能と小型化を両立させるために、独自の設計が採用されました。
- **超小型化**:ハーフサイズはフルサイズの約半分のイメージサークルで済むため、レンズ群全体を大幅に小型化・軽量化。システム全体として抜群の携帯性を誇ります。
- **豊富なラインナップ**:標準レンズに加え、**超広角20mm(フルサイズ換算28mm相当)**から、驚異の**800mm(換算1120mm相当)**まで、当時のハーフサイズカメラとしては異例の全18種類のレンズが用意されました。
- **共通した描写特性**:PEN Fレンズは、一般的に**クリアでコントラストが高く**、色再現性に優れていると評価されています。F.Zuikoらしい、抜けの良い現代的な描写が特徴です。
3. 主要レンズの徹底解説と描写の魅力
PEN Fシステムを語る上で欠かせない、代表的なレンズをピックアップしてご紹介します。
A. 標準レンズ:F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8
- **システムの中核**:PEN-FT/Fの標準レンズとして最も多く流通している一本です。フルサイズ換算で約53mm相当となり、最も使いやすい画角です。
- **小型と高性能の両立**:F1.8という大口径ながら小型で、開放からシャープ。最短撮影距離が短い(35cm)ため、ハーフサイズながらも被写体に寄ることで、ある程度のボケ表現も楽しめます。
B. 広角の傑作:G.Zuiko Auto-W 25mm F2.8
- **換算35mm相当**:換算で35mmというスナップに最適な画角。特にPEN-Fの縦長画面で使うと、縦方向のパースペクティブを強調したダイナミックな構図が容易に楽しめます。
- **パンケーキレンズ**:非常に薄型で、PEN-Fの小型ボディとの組み合わせは抜群。携帯性がさらに向上し、日常的に持ち歩くスナップシューターとしての魅力を高めています。
C. 大口径標準:G.Zuiko Auto-S 40mm F1.4
- **最大のボケ**:PEN Fマウントで最も明るい標準レンズ。換算58mm相当となり、より強いボケ表現を求めるユーザーに選ばれました。夜間や室内撮影でも威力を発揮します。
4. 「組写真」を活かすレンズワーク
PEN-Fの縦長フォーマットと、1コマで2枚撮れるという特性は、**「組写真(ツインショット)」**という独自の表現を生み出しました。
- **連動性の高いレンズワーク**:標準の38mmや広角の25mmを使い、隣接する2コマで、**「テーマと被写体」**や**「全体とクローズアップ」**といった対比構造を作ることが容易です。
- **独特の距離感**:ハーフサイズはフルサイズより被写界深度が深くなるため、ピント合わせの難易度が低いというメリットがあります。これにより、素早いスナップ撮影で正確な描写を得やすくなっています。
5. 買取・販売について
当店 買取の鶴岡 では、
**OLYMPUS PEN-F、PEN-FT、PEN-FV**の本体はもちろん、Fマウントの交換レンズ群を**積極的に査定し、幅広くお取り扱い**しております。
特に、G.Zuiko Auto-W 25mm F2.8などの**希少な広角レンズ**や、セットで保管されていた**レンズフード、キャップ**が揃っているものは、市場価値を最大限に評価いたします。PEN Fレンズシステムのご売却・ご購入の相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
**OLYMPUS PEN-Fのレンズシステム**は、単なる経済的なハーフカメラではなく、広範な撮影ジャンルに対応できる**本格的なシステムカメラ**として完成されていました。この交換レンズ群があるからこそ、PEN-Fは今なお、愛され続ける傑作機であり続けているのです。
2025年11月05日
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